喜多方市長との意見交換会「子育て政策について」

 会津喜多方青年会議所は、地域社会の向上を目指して日々活動を行っています。今回、喜多方市の出生数の減少と人口減少の問題に焦点を当て、「子育て政策」をテーマに喜多方市長  遠藤忠一様との意見交換会を開催しました。この意見交換会は、会津喜多方青年会議所理事長 瓜生真吾と市長による対談形式で進められ、「保育料と出生時の補助制度」、「新規定住者への支援」、「喜多方市が強化したい子育て制度」の3つの主要テーマについて意見交換が行われました。この意見交換会を通じて、会津喜多方青年会議所と市の考えや今後の方針が共有され、地域の将来に関する重要な議論が行われました。


初めに~意見交換会への経緯~

一般社団法人会津喜多方青年会議所 理事長 瓜生 真吾

瓜生理事長 改めまして、会津喜多方青年会議所は、20歳から40歳までの青年が集う組織です。私たちは地域貢献や自己啓発を目的に活動しています。多くのメンバーが子育て世代であり、また子育てをこれから始める世代でもあります。そのため、喜多方をどのようにしてより良い場所にしていけるかを常に考え、日々の活動に取り組んでいます。現在、最も重要な問題としては、人口減少の問題が挙げられると思います。この問題に対しまして、私たちがどのような形で活動を展開していくべきか、真剣に考えております。まず、”子育て”というキーワードを中心に、子育てしやすい環境の整備にどう取り組むかが重要です。私たちにできること、また、私たちだけでは難しいこともあると思いますが、その両方を見極めながら進めていきたいと思っております。そこで、行政の皆様とのコミュニケーションを強化していきたいと考えており、本日このような場を設けさせていただきました。今後、喜多方市がより若者にとって魅力的な地域となるよう、私たち青年世代が積極的に環境作りに取り組んでいきたいと思います。特に、20代やそれよりも若い人たちが「戻りたい」「住みたい」と思えるような喜多方を実現することが、私たちの目標です。このことを踏まえまして、本日は様々なご質問をさせて頂きたいと思っております。質問に入る前に、喜多方の取り組みについて、また同じ県内の市町村である大玉村に焦点を当て、その対比を通じてお話を進めさせていただければと考えております。大玉村を取り上げる理由は、近年、同村の世帯数が微増している、あるいは安定している点に注目しております。喜多方より人口や面積が少ないにもかかわらず、この成果の背景にはどのような要因があるのかを探りたいと思っています。また、喜多方市が大玉村と同市の関係をどのように捉えているかについても、ご質問させて頂きたいと考えております。

保育料や出生児対策補助金について

喜多方市長 遠藤 忠一 様

瓜生理事長 大玉村では現在、第1子から保育料が無料となる制度があります。これに対して、喜多方市では市民非課税世帯に限り0歳から2歳までの保育料が無償であり、3歳から5歳までの全ての世帯の保育料が無料となっています。このような現状を踏まえると、大玉村の方が祝い金や保育料の補助が充実しているように感じます。この点について、喜多方市として今後補助額の増加や見直しをどのようにお考えか、お伺いしてもよろしいでしょうか?

遠藤市長 喜多方の未来を担うのは子どもたちであり、子育て支援を強化することが必要だと考えています。住民の方々が「喜多方に住んでみたい」「住んでよかった」と感じられるような、喜多方ならではの独自の制度を創設することが大切だと思います。理事長が指摘されたように、大玉村との比較は重要です。日本には1,718の自治体があり、コロナ禍の中で地方が大きな変化を遂げています。1918年のスペイン風邪や第一次世界大戦の終結、現在のウクライナ問題や中東の状況、物価の高騰など、様々な課題が浮き彫りになっています。このような状況の中で、1,718の自治体それぞれには、独自の財政状況があります。

例えば、東京で面積が2番目に大きい世田谷区を見ると、面積は58平方キロメートルですが、喜多方は544平方キロメートルと、はるかに大きいです。しかし、人口を比較すると、世田谷区は約92万〜93万人で、一方の喜多方は、現在4万5000人前後となっています。このような状況を踏まえると、子育てにおける財政支援の必要性が高まっていると感じます。出会いから結婚、出産、子育て、教育に至るまでの一連のサポートを行政として提供する必要があります。特に今年から、大玉村では実施していない就学支援金※1を開始し、5万円の支援を行っています。ただし、支援しているからといって、単純に比較できるわけではありませんが、良い施策は他の行政からも学ぶべきだと思っています。その点で、大玉村の事例も参考にしたいと考えております。また、人口が増加している中で、郡山や福島のような中核市には自然を生かしたレジャー施設があります。喜多方にも「遠藤ヶ滝」のような素晴らしい自然があり、似た特性を持っています。このような観点から、土地取得や住宅支援などについても恵まれているのではないかと考えています。現在は「ベッドタウン」という言葉があまり使われませんが、大玉村に住みながら福島、二本松、郡山で働く人々がいる中で、大玉村が子育て支援に重点を置くことで、定住や移住が増加しているのではないかと私は思います。

※1 就学援助制度 小・中学校に通う児童・生徒たちが滞りなく義務教育を受けられるよう、認定要件を満たす保護者の方に対して、学校でかかる経費の一部を市が援助する制度

https://www.city.kitakata.fukushima.jp/site/kosodate/13169.html

瓜生理事長 ありがとうございます。喜多方市独自の政策をさらに充実させていく方針ということで、大変心強く感じております。次に、子供を育てる世帯がより育児に専念しやすい環境を整備することに関して質問させていただきます。私自身も子供が2人おりまして、育児にはかなりの経済的負担が伴うことを実感しています。特に0歳から2歳の子供は、オムツ代や離乳食代などで出費が多いです。1人目、2人目は何とか経済的に対応できますが、3人目になると、より慎重な計画が必要になります。この点で、第3子以降を持つことが人口増加に寄与すると考えると、第3子以降を安心して産みやすい環境を整えることが重要だと思います。そのために、第3子以降に関する支援策を何かお考えでしょうか?

遠藤市長 ご指摘の通り、子育ては次世代を担う重要な課題です。各市町村は子育てをサポートし、出生率を高めることが目標ですが、基礎自治体としての立場から言えば、国全体の対策も大切です。今年4月からの異次元の子育て支援策も注目されていますが、財政状況の厳しさを考慮すると、支援には限界があります。どのような形で対応していくべきか難しい問題です。特に、戦後20年で第2次世界大戦が終結し、翌年に憲法が発布されたことで、どの地域にもどんな条件があっても、等しく行政サービスを享受するという前提が存在します。この状況下で、子育て支援の方向性をどのように考え、実行に移していくかは、重要な課題となっています。その点で、ヨーロッパの国々、例えばフランスやイタリア、イギリスのように、GDPの1%を子育て支援に充てるというような取り組みも、我々にとっては必要ではないかと考えています。地方自治体として、喜多方に住んでいると不利になるような状況、対照的に東京に住んでいて素晴らしい生活が可能な状況は、何かおかしいと感じます。このような不均衡を是正するためにも、国レベルでの子育て支援の強化が求められています。地方の6団体の中でも、このような視点から、国に対する提言や施策の要望がなされているのです。この意味で、地方の声を国にもっと届け、独自の政策を打ち出す必要があります。制度の設計や財政支援の実施も、この2つの柱として重要です。理事長がおっしゃっていたように、子育て世代のメンバーが多い現状を踏まえ、どのような施策が効果的か、それが1年で終わるべきかどうか、これらの点について十分な議論が必要です。

新規定住者への支援について

瓜生理事長 先ほどのテーマ①は、現在住んでいる私たちが子育てしやすいための制度に関するものでしたが、テーマ②では新規定住者をどう増やしていくか、という点に焦点を当てています。喜多方市における新規移住者への支援は、かなり手厚いものとなっていると認識しています。調査によれば、40歳未満の方には最大400万円の支援がされています。これを大玉村と比較してみると、県外からの移住者には最大110万円の支援がありますが、喜多方市の方がより充実した支援を行っています。一方で、大玉村では年間40世帯の増加が見られるという結果があります。これは、単に補助金の額だけが移住を促進する要因ではないことを示唆しているようにも思います。この点について、どのようにお考えでしょうか?

遠藤市長 確かに、私たちは全国でも例のない形で、最大400万円の支援を提供しています。徐々にですが、この支援のおかげで移住・定住が促進されているように見受けられます。ただし、この支援には条件があり、例えば何年住むか、どの地域に住むかなどの要件が設けられています。また、職業についても、喜多方だけでなく、若松や郡山での就業でも構わないとするなど、喜多方に住まいを構える方々に該当する緩和された制度を現在作成しています。また、この地域の気象条件、特に雪の影響も考慮する必要があると思っています。いずれにしても、喜多方には移住していただくための魅力的な要素がたくさんあります。特に注目すべきは、日本で初めて設けられた小学校の農業科です。これは文部科学省の特許を受けており、3年生以上の子供たちが17校で農業を学んでいます。農業は生命を育む産業であり、喜多方にとっての基幹産業です。これを踏まえ、学校給食にも力を入れています。例えば、理事長のお住まいの熱塩加納では、「熱塩加納方式」という独自の取り組みがあり、農業技術者と学校の主任技術者が協力してこの方式を開発しました。このような素晴らしい学校給食があるために、喜多方に移住しようと考える方も多く、古民家での生活を選ぶ方もいらっしゃいます。そのような理由から補助金や財政支援だけではなく、地域独自の価値をアピールすることが大切だと思っています。喜多方には、他にはない「宝物」があります。それを活かして、子育てしやすい環境を提供し、多子家庭にも魅力的な場所としてアピールする必要があります。400万円の支援金に頼るだけではなく、制度をより柔軟に運用し、人々が「喜多方に住んでみたい」「住んでよかった」と感じるような移住・定住策を実施したいと考えています。

これは少し不吉な話かもしれませんが、1923年の関東大震災から今や100年が経過しました。その際には65万人の方々が亡くなりました。そして、その5年前にはスペイン風邪がありました。このような時代の流れを踏まえると、さまざまなリスクに対処するためには地方自治体間の連携が非常に重要です。最近、世田谷区長とお話しする機会があり、地方との連携の必要性について強調されました。区民の命と暮らしを守るためには、このような連携が不可欠だとおっしゃっていました。そのため、喜多方市としても、他の市町村との連携をさらに深め、共に対策を講じていくことが重要だと感じております。そのような意味でも、地方と都市はそれぞれ重要な役割を持っています。2011年の東日本大震災を例に挙げれば、世界に例を見ない原発事故と複合災害が起きました。福島県で生成される電力の多くは、県内ではほとんど使われず、主に首都圏の発展のために供給されていました。会津地方においては、地域の70%から80%が森林です。これらの森林は水源の涵養(かんよう)を行い、自然を保護し、水力発電によるエネルギーを生産しています。加えて、林産物や農畜産物の供給も重要な役割を担っており、これらは地方と都市の相互依存の関係を示しています。地方と都市は協力し合い、互いを支えることが不可欠なのです。都市に住んでいると、家の前に出れば路線バスがあり、少し歩けば地下鉄などの公共交通が利用できるなど、生活環境が全く異なります。そのため、地方の良さやマイナス面をプラスに転じさせることが重要だと思います。全国には1,718の自治体がありますが、水源の里協議会のような取り組みがあります。昨年開催されたシンポジウムでは、「川上は川下を思い、川下は川上に感謝する」という理念が掲げられました。この水、エネルギー、食料はどこから来ているのか、そしてそれに対する感謝を忘れてはなりません。川上に位置する私たちは、川下を思いやりながら、安全で安心なエネルギーや食料、さらには人材を供給しています。このような循環が可能な形を作り出すことが、移住・定住を促進する鍵となります。各自治体の考えだけでは難しい時代になってきましたが、私としては、住んでみたい、選ばれる喜多方を作ることが原点です。先ほどお話ししたような方針で、今後も進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

瓜生理事長 私も実は外から来た移住者です。職業柄、観光業に携わっているので、最初に「有機農業の里」熱塩について知りました。特に、熱塩小学校の給食は日本一美味しいと聞いていたんです。旅館を営む中で、お客様から「お米が美味しい」とよく言われます。他の旅館では「料理が美味しい」という声を聞きますが、「お米が美味しい」という表現は特別なことだと、これは喜多方の大きな強みだと感じています。その背景には、良質な土壌や雪国ならではのミネラル豊富な水があるのだと思います。この自然を守りつつ、どうやって人口を増やしていくか、これは私たちも一緒に取り組んでいきたい課題です。

喜多方市が強化していきたい子育て制度について

瓜生理事長 今回のテーマが「子育て」と「少子化対策」に関連していることを踏まえ、喜多方市がどのような点に重点を置いて少子化対策に取り組む計画をお持ちか、お伺いしたいと思います。この情報は多くの方々に届けられるべきだと考えておりますので、市としての具体的な方針について教えていただければと思います。

遠藤市長 1960年代、昭和30年代には総人口が8万4000人でした。これは今の2倍に相当します。わずか40年から50年の間に、人口が大きく変化してきたのです。これは国の政策も影響していると思いますが、地方自治体が人材育成や食料生産、自然保護をもっと考えていくことが必要であったと思います。そこで私は、子供からお年寄りまで全ての市民が笑顔で、夢や希望を持てる喜多方市を作ることを目指し、様々なことを行ってきました。その一つには、市民との直接的な対話を重視し、毎月「わくわく市政ふれあいトーク」を開催しております。これは、各支所を巡り市民の皆さんから直接意見を聞く機会となっています。子育て、職業、老後の不安など、市民の皆さんから様々な意見を伺っています。これらを生かしながら、職員とディスカッションを重ね、良い制度を作り上げています。市の将来について考えると、市民と行政がしっかりと連携し、会津喜多方青年会議所を含む各団体が一体となって未来像を描くことが重要です。市民の声を反映しながら、夢や希望が描ける、住んでみたい、住んでよかったと感じられるような喜多方の未来像を目指したいと思っています。そのためには、喜多方にある独特の宝物を活用しながら、次の世代にロマンを語れるような未来を作り上げていきたいと考えております。

※2 わくわく市政ふれあいトーク まちづくり、子どもたちの未来、市民生活など「わくわくする喜多方」の創造に向け、喜多方市長と直接お話しをする事ができる制度

https://www.city.kitakata.fukushima.jp/site/mayor/121.html

瓜生理事長 ありがとうございます。私たち大人には、次世代に何を残すかというのが非常に重要な責任があります。子どもたちには彼らだけの社会がありますが、子どもの数が減少すると、その社会にも変化が生じます。幼稚園や小学校、中学校での子どもたち同士の交流や互いから学ぶ機会は、非常に大切です。例えば、私の息子が通う熱塩小学校では、全学年の生徒数が50人に満たないという状況です。特に、上級生に比べて1年生から3年生の生徒数が少なく、1学年に1人から4人という少ない人数が続いています。来年にはさらに生徒数が減少する見込みで、学校の合併を検討しています。これは他の学校でも同様の状況があると考えます。喜多方市では、小学校の統廃合を令和9年に予定していますが、現在の状況を踏まえて、もう少し早く行動を起こすことは難しいのでしょうか?

遠藤市長 1960年代当時、地域の人口は8万4000人でした。私が通っていた上三宮小学校では、全校生徒が6年生までで、当時どのくらいだったと思いますか?

瓜生理事長 市長がこどもの時に・・・500人ぐらいですか?

遠藤市長 380人。

一同 笑い

瓜生理事長 ・・・すみません。

遠藤市長 時代の変化に伴い、避けられない状況があると思いますが、喜多方には14校の小学校と7校の中学校があります。中でも上三宮小学校の生徒数が一番少なくなりました。これは、大規模な学校へ自分の得意な部活動をするために他校に転校する子どもたちが増えたためで、生徒数は10人ほどになりました。

これは大きな問題と考え、一昨年「小規模特認校」※3を設立しました。この制度では、市内のどのエリアからでも少人数の生徒を受け入れます。また、ITの時代に対応して、市内の全小中学校に合わせて3300台のタブレットを配布しました。タブレットを活用し、民間のIT企業に勤めるエンジニアたちが無償で支援しています。農業教育も同様です。

※3 小規模特認校制度 小規模な学校での特色ある教育活動や細やかな指導を学ばせたいという保護者の希望がある場合に、一定の条件のもと、上三宮小学校の通学区域外から児童の入学・転校を認める制度です。喜多方市では、上三宮小学校が令和4年4月より小規模特認校としてスタートしました。

https://www.city.kitakata.fukushima.jp/soshiki/gakkyou/33688.html

また、1988年にオレゴン州ウィルソンビル市と姉妹提携を結んでおり、今年で35年目になります。このような国際交流を背景に、英語や他の外国語の教育も行っています。上三宮小規模特認校では、この教育方針に魅力を感じる親御さんもおり、子供たちは体験授業を通じて学校に通いたいと希望しています。また、出席率が低かった生徒や、不登校の傾向にあった生徒たちも、ここでは遅刻せずに毎日登校している状況です。生徒数は多くないですが、得意分野を活かした教育を行っているため、現在はこのような形で運営しています。

理事長がお話されたように、14校の小学校と7校の中学校の中で、人口の流動性が高く、塩川小学校では教室が足りないほどの状況になっています。一方で、熱塩小学校のように生徒数が非常に少ない学校もあります。このような状況の中で、私たちは次世代を担う子どもたちの学びの場をどう整えるかが原点だと考えています。小規模であるから、大規模であるからということではなく、子どもたちの学びをどのように進めるかが重要です。この問題に取り組むため、私は総合協議会の会長として、教育委員の皆さんとディスカッションを行い、喜多方市の小中学校の適正規模と適正配置についての方針を示しました。しかしながら、令和9年の学校統合の計画があるものの、実際の状況はもっと複雑です。例として、旧喜多方市立岩月小学校と旧喜多方市立入田付小学校が統合され、「第3小学校」として新たに始まりました。この変化は、親御さんや子どもたちにとっては良いものでしたが、地域の方々、特に同窓生や高齢者の間では、自分たちの学んだ学校がなくなることに対する不安がありました。彼らは、地域のアイデンティティとして学校の名前を残すことを望んでいました。このような地域の感情は、小学校が駐在所や郵便局とともに地域コミュニティの重要な部分であることを示しています。一つの部分が欠けると、地域全体が影響を受ける可能性があります。そういった背景から、親御さんを含む多くの方々と子どもたちの教育について議論を続けています。さらに、人口減少が進み、出生数もかつての400人から200人を下回るなど、厳しい状況に直面しています。今年はすでに80人余りの生徒数となり、非常に厳しい状況に直面しています。この中で、地域の方々も巻き込んで検討委員会を立ち上げ、様々な議論を進めています。先月の9月の定例議会では、小学校の統合を早めるべきだという請願が多数決で可決されました。これは非常に重要なことと受け止めています。しかし、今後のことも考えなければなりません。例えば、小規模校が統合された後、数年でまた別の学校に移るようなことがあれば、子供たちが6年間で2回も校歌や校章を変えることになり、それは望ましくありません。いずれにせよ、次世代を担う子供たちの教育方法について検討しており、熱塩加納の小学校の統合に関してはもうすぐ結論が出ると思います。学校を支えてくれた皆さんに感謝しつつ、新たなステージに進む際にも引き続きご支援をお願いしたいと思います。

青年会議所からの提案

司会 最後のテーマとして、会津喜多方青年会議所から3つ提案事項を考えてまいりました。

出生祝金として3人目以降の補助額の増額

司会 最初のご提案については、先ほど話したように、出生祝い金やその他の支援を通じて、3人目以降の子どもを持つ家庭に対するサポートを強化することが重要だと思います。人口増加のためには、特に3人目以降の子どもを持つ家族を支援することが必要です。こうした家族に対する厚いサポートがあれば、少子化に歯止めをかけることができると考えます。このようなサポートを強化することが、少子化対策の一環として非常に重要だと私たちは感じています。

出産を行える産婦人科を誘致する制度や補助

司会 喜多方市が直面している喫緊の課題として、市内に産婦人科を誘致する制度の設置があります。産婦人科が近くにないという状況は、妊娠や出産を考えている家庭にとって大きな不安をもたらします。

産婦人科の運営を支援する補助や積極的な誘致は、将来の子どもの人数に大きく影響を及ぼすと考えられます。現在、何らかの対策が検討されているかもしれませんが、この問題に対してできるだけ早く対応をお願いしたいと思います。このような取り組みが、地域の将来に大きな影響を与えると確信しています。

喜多方市のベビーファースト運動への参画

司会 最後に、喜多方市に日本青年会議所が主導する「ベビーファースト運動」への参加を提案させていただきます。この運動は、赤ちゃんや子供を最優先に考える取り組みを宣言し、具体的な行動に移すことを目的としています。

福島県内でも、既に10市町村程度がこの運動に参加しています。会津若松市を含めたこれらの自治体は、子供に優しい環境を目指して様々な施策を実施しています。喜多方市もこの運動に参加し、子供に優しい自治体としての取り組みを宣言し、それに沿った政策や制度を展開していくことを強く推奨します。これにより、子供たちにとってより良い環境を実現することができると信じています。どうぞよろしくお願いいたします。

遠藤市長 いずれの政策課題も重要だと認識しています。特に、産婦人科の医師が足りず、出産可能な環境が不足しているというリスクは深刻です。私たちは、この状況に甘んじているわけではありません。福島県には福島医科大学があり、会津医療センターも存在します。竹之下理事長学長には、産婦人科の設置を検討してもらいたいと度々要望しています。ただ要望するだけではなく、医師や看護師を招聘するための財政支援も検討しました。また、会津縦貫道路ができたことでアクセスは改善されましたが、安心して妊娠・出産・子育てができる総合的なケアが非常に重要です。喜多方医師会とも連携し、この点について対応していきたいと思います。今年度、喜多方に新たな医師が配置されることになりました。また、二次救急医療については、3つの病院があり、その中の一つが東北で二番目の優良救急医療病院として表彰されました。現場で頑張っている皆さんに感謝しています。ベビーファースト宣言についても、とても良い取り組みだと思います。3人目以降の子育て支援に関しても、積極的に検討したいと思います。

最後に

遠藤市長 繰り返しになりますが、次代を担う子供たちの育成、それを支える環境、教育、働く場など、これら全ての要素がトータルで喜多方市を選ぶ理由となると思います。青年会議所の皆さんの温かくも厳しいご指導のもと、夢や希望が描ける喜多方市を作るために努力していきたいと思います。今後もこのような機会を作っていただければ幸いです。よろしくお願いします。

瓜生理事長 本日の意見交換会を通じて、私たちから提案をさせていただく形となり、今後への議論にも繋げることができました。今回は市長との直接対談でしたが、今後は他の関係者も巻き込むことも、我々にとって重要な役割だと思います。そのためには、我々のメンバーと役所の方々との対話の場を増やし、お互いが喜多方市民としての立場で意見を交わせるような関係性を築いていきたいと考えています。今後もご指導をいただきながら、喜多方市のために積極的に取り組んでいきたいと思いますので、引き続きご協力をお願いいたします。

遠藤市長 

最後にもうひとつお話しします。昨年4月3日に「アイデミきたかた」に「めごぷらざ」という施設を設立しました。この施設は、直近の数字で12万人もの利用者があり、保護者を含む多くの方々が利用しています。特に県内のお盆などの時期には利用者が多く、何か新しいことを始めれば、それが返ってくるということが分かります。 今回は特に子育てに焦点を当てていただきましたが、産業振興など他のテーマに関しても、交流、意見交換、ディスカッションを通じて喜多方市の発展に取り組んでいきたいと考えています。私たちの目的は同じですので、今後ともご支援とご協力をお願いします。ありがとうございました。

司会 以上を持ちまして、喜多方市長遠藤忠一様との意見交換会を終了とさせていただきます。遠藤市長、お忙しい中、貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。

意見交換会を終えて

 今回の意見交換会は、喜多方市の将来に向けて重要な一歩を踏み出した機会となりました。市長との率直な意見交換会を通じて、市の現状と将来に対する深い理解が促進されました。特に、子育て支援、医療環境の改善、教育の充実といったキーテーマが議論され、市民生活の質の向上に向けた具体的な提案をさせて頂きました。この意見交換会では、市政の進行において市民の声がどれほど重要であるかを改めて浮き彫りにしました。今後の喜多方市の成長には、このような率直な意見交換と協力関係の強化が不可欠であり、今回の意見交換会がその礎となることを期待します。参加者一同は、市の発展に向けての貴重な洞察を得ることができ、これからの取り組みに大きな希望を抱いて会を終えました。

遠藤市長と会津喜多方青年会議所一同

この度は2023年度コスモス広場をご閲覧いただき誠にありがとうごましました。当青年会議所では喜多方市をより良い明るい地域とするために日々活動をしています。当記事をに関しましてアンケートを募集しております。ご意見ご感想等ございましたら下記アンケートにご協力をお願いいたします。


今回の意見交換会の様子を動画でまとめております。記事内で語り切れなかった部分や当事者の実際の言葉を視聴する事ができます。ぜひこちらのご視聴もよろしくお願いいたします。