2020年度 理事長所信

投稿者: | 2020年1月10日

所 信

 

緒言

~人類は平和を愛好する。それが究極の念願であろう。然るに世界人類の実情は、闘争と不安との中に絶えず動揺を続けている。即ち、世界は今、暗雲低迷である。之を開き之を拂(はら)って遍(へん)照(しょう)するは、日本が神より與えられたる義務である。それをなさざれば建国の意義をなさず、したがって日本存在の意義を否定するものである。
翻って近来我が国の精神世界を通観するに、この世界的大使命を忘れて、或いは左傾し或いは右傾して今やその帰趨(きすう)を失い、将に混沌たらんとしている事は、まことに痛恨措(お)く能わざる所である。~中略~これは日本の問題の根本であって極めて重大である。若しもこのままに放擲(ほうてき)しておいたならば、到底建国の大使命に立つ能わざるは勿論、遂に他民族陰謀に陥り、畢竟(ひっきょう)、日本民族の国家生活を破壊するであろう。~
林平馬著 大国民読本より 昭和二年一月二十五日

明治維新以降、日本は近代化へ舵を切りました。西洋化が急速に進み庶民の生活には劇的な変化が起こり、やがて大正時代には「大正ロマン」と評される成熟期を迎えます。
その一方、恐慌や関東大震災、個人主義や理想主義の台頭など様々な変化に翻弄される時代でもありました。その時代のうねりに身を置いた林平馬が記したのが大国民読本です。
文明開化以降、様々な時代を超え日本は成長し続けています。しかし、改めてこの言葉に触れたとき何を感じる事が出来るでしょうか。大正時代に社会問題とされていた事が、現代社会でも同様に問題になっています。幾多の時代を経ても、社会に起こる問題の本質は何時も変わらないのです。だからこそ我々青年は、常に変化を求め、時代を切り拓く運動を展開していかなければなりません。

時代の変化

会津喜多方青年会議所は1975年の創立以来多くの先輩諸兄により継承され、その時代ごとに巻き起こる様々な地域課題に対し組織的に挑んできました。この運動は世界各地でも同様に行われています。今日までの社会の成り立ちから見ても、青年会議所が其々の地域で主体的に課題を解決し良い影響をもたらしてきたと言えます。青年会議所は常に地域に寄り添う運動を展開してきたのです。
現在の我々は先人の想いを受け継いだ志ある運動を展開しているでしょうか。緒言が示す様に、日本社会に起こる問題の本質は変わっていません。その時々の社会情勢に合わせて、様々な手法が考え出され試されて来たのが歴史の事実です。かつて青年会議所にしか出来なかった社会問題解決の役割も、CSR活動の普及により各企業が積極的に推進し結果を残しています。いつの時代も青年会議所に求められる役割は変化していきます。我々は45年の歴史の中で培われたシキタリや組織のカタチを守りつつ、次の時代の新しい課題に目を向け、主体的に行動を起こし地域を前進させられる組織である必要があります。
青年会議所は常に時代の先駆けである事が求められます。これまでの歴史に拘りながらも、激動する時代にこの地域に必要なコトを見定め、地域の課題を解決するために、変化を恐れずに積極的に青年会議所運動を展開していきましょう。

自らを鍛えているか

「我々青年は 個人と社会のいかなるかを認識し 集う者手を携え 自己の修練を通し 的確な判断を養い 郷土発展の担い手となることを誓う」会津喜多方青年会議所はこの設立宣言文のもと今日まで歴史を紡いできました。
青年会議所は地域に対して様々な役割を担っていますが、最も求められるのは人財の育成です。私自身もこの場所であらゆることを体験してきました。Jayceeだからこそ得られた機会は多い反面、Jayceeだからこそ掴めなかった機会もまた無数にありました。これは会津喜多方青年会議所メンバー1人1人が同様に感じるものではないでしょうか。
現在、様々な団体が地域の枠を超えて活動していますが、青年会議所が持つ人が成長する空間としての役割はどの組織に勝るものです。日々の委員会や例会は当然ですが、青少年育成事業をはじめとする対外事業でさえもJayceeにとって成長の機会です。その成長を手助けする為に青年会議所には優れた研修プログラムが用意されています。この機会を最大限に活かして自己を成長させていきましょう。
そして、この組織に活力を与え持続可能な運動を展開するために、一人でも多くの人財が必要です。人は多種多様な人物と出会い、互いに影響し合うことで大きく成長する事が出来ます。共にこの地域で活動する仲間とネットワークを構築することが出来るのも青年会議所の大きな魅力です。
青年会議所での出会いと経験を糧として、自らの家庭や会社、地域をより良く成長させる運動を展開していましょう。

郷土発展の担い手として

私が住み暮らす地域は、かつて舟運の一大拠点でした。日本海を経由して上方から運ばれる文化や物資を一手に引き受ける会津の貿易港とし栄えた歴史があります。今は街並みからその姿を偲ぶことはできませんが、地域の人々の素志には今も確かな影響を与え続けています。
我々が活動する地域には古くからの歴史や伝統文化が溢れ、多くは地域ごとに大切に保存継承されています。これらの価値を広く地域へ伝え、活用していく運動が我々青年には必要ではないでしょうか。永い時を超えて伝え繋がれてきた伝統文化を、今の時代が求めるカタチで活用していくことが、より良い状態で文化を守り継承する事に繋がります。
そして、その継承者は一部の限られた個人ではなく、この地域に住み暮らす全ての人々である必要があります。私自身も、幼少より地域の伝統文化に触れて成長してきました。地域の人々と関わる中で地域の歴史や文化を学ぶ事から、この地域を愛する心が養われました。地域の発展には、関わる一人一人の心に郷土愛を醸成する事が必要です。我々はこの地域を忘れて成長する事はできません。だからこそ、自らを育んでくれたこの地域に感謝し誰よりも愛する事が、この地域をより良い姿で次代へ継承する事に繋がります。

地域を衛ために

近年、日本各地では自然災害及びその二次災害が頻発しており、この地域においても地震や大雨などの大災害がいつ起こるのかは予測不可能です。会津喜多方青年会議所は災害支援において常に積極的に活動して来た歴史があります。阪神淡路大震災、新潟中越沖地震、東日本大震災などの大災害は勿論、県内で発生した豪雨災害時にはいち早く現地へ赴き復旧を後押ししてきました。
大災害はいつ起こるとも限りません。そんな時、我々は積極的に行動する事は当然ですが、これから強く求められるのは、平時からの防災減災に対する地域意識の醸成です。青年会議所には災害に関する豊富な経験があります。この経験を我々だけに留めるのではなく、共にこの地域で活動する団体と共有し発信していくことが、いざという時に大きなチカラなります。
災害時に我々のチカラを効果的に発揮し地域を救うために、この地域で活動する諸団体と手を取り合い、平時から相互の理解と関係性を深め、地域に対し防災減災を啓蒙していく活動が必要です。

終わりに

私は2011年の入会以来、数多くの経験を青年会議所で得ることが出来ました。それは、尊敬すべき仲間との出会いによる喜びや達成感だけでは無く、悲しみや憎しみ無力感のような負の感情も数えきれません。しかしそれらの全てが今の私を支える糧であることは間違いありません。この場に無駄な出会いや経験は何一つありませんでした。青年会議所の扉を自ら開いたからこそ、多種多様な人々と出会い、共に活動する中で自分自身がより良く成長出来たのです。
我々が青年会議所に入会した理由や目的はそれぞれ異なり、それが組織に多様性を生み出しています。その無数の異なる目的を一つに束ね、結果を導くのが青年会議所の役割です。限られた時間、限られたこの場に集った仲間に敬意を払い、自己を成長させ、自らの望む未来を作り上げましょう。

スローガン

不退転
全ての出会い、全ての経験が糧(ちから)となる

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